🏔️重監房資料館@草津町🏔️

f:id:xingtsi:20201209162322p:plain

f:id:xingtsi:20201209162326p:plain

f:id:xingtsi:20201209162329p:plain

f:id:xingtsi:20201209162333p:plain

f:id:xingtsi:20201209162336p:plain

【2020.11.22】

高崎から朝イチで草津町へ向かいました。

草津と言えばイメージするのは温泉ですが、今回は目的が違います。

今回の目的地は重監房資料館。

町外れの山の中にある施設です。

その昔、ハンセン病がまだはやっていたころ。草津の温泉が訊くと噂になりハンセン病の人たちが集まって暮らしていた地域が草津温泉にあったそうです。そこで皆さん仕事をしながら生活をしていました。

ですが、国がハンセン病の人たちを隔離するという政策を打ち出し。全国にハンセン病の人たちを隔離する施設ができました。そこはハンセン病の人たちが集まって住んでいた地域より離れたところ。仕事も家もあった皆さんからの反対で隔離はなかなか進まなかったそう。また隔離施設の一部の地域は住んでる家を移設しても良いことになり、おうちごとお引っ越しをしてきた人もいたそうです。そりゃそうだよな‥

ちなみにこの隔離政策。

ハンセン病のワクチンが作られた戦後も続きました。

なんと最終的に隔離政策が終わったのが平成8年!!

その頃にはとっくの昔にハンセン病は遺伝しない、感染力が弱いと判明していたのに意味なく隔離政策が続いていたわけで。

隔離政策のせいでハンセン病こわい!!になり、病気だった人が社会復帰できなくなる事態になったわけですね。

で、隔離政策真っ最中な時代。

あちこちの家でひっそりと暮らしていたハンセン病患者を回収して隔離施設にいれるのですがその様子は第二次世界大戦中のドイツのユダヤ人を彷彿とされるひどさ。隔離施設はもちろん絶滅収容所ではない訳だが優勢保護法も途中で参加してるし、ゲットーとかラーゲリしか思い浮かばないお話でしたね。

そんな条件の隔離施設が素敵な場所なはずもなく。施設の職員の数がバカみたいに足りずほぼ軽症の患者たちが働き施設を維持していたよう。その労働も病気の身には酷ものだったとか。

与えられるべきものも与えられず厳しい環境だったそう。

なので反発した人もいたそうだ。改善要求だし当然だよね。

だが、そんな反発するひと、また隔離政策に邪魔になる人を全国から集めて入れたのがこちらにあった重監房というところなのです。名前は特別病室。だけど治療は行われなかったそう。

施設の人には裁判を行わずに重監房に入れれる権限が与えられていたそうで、そこでなにが行われていたかは2つ名が日本のアウシュビッツと言われているところからも推し測れますね‥

この資料館はもともと隔離施設だった楽泉園という施設の中にあります。

もちろん今は楽泉園は隔離施設ではないし現役のハンセン病患者さんもいません。

長いこと隔離され社会に馴染めない、さべつにより帰る家族がいない、ハンセン病の後遺症により生活が難しいという方々がいまだここで暮らしています。

到着してみると森の中に赤い屋根の平屋の住宅が規則正しく並んでいる場所でした。

周りは無音。久々に無音のところにいき耳鳴りがしました。

その端にある重監房資料館は立派で新しい建物です。現在は冬営業のため見学には予約が必要となります。料金は無料。

最初に20分以上の長い動画をみることによりハンセン病の歴史などを学ぶことができました。

それから資料館の見学。メインと言えるのは既に土台だけになってしまってる重監房の原寸大模型でしょうか。

4メートルオーバーの灰色の壁は威圧感がありますね。建物内だからか余計に。

一部再現でもかなりの大きさとなっています。もちろん模型内に入ることも可能。

監房は不思議な作りになっています。

耐火ドアかよ?!ってくらいあの分厚さのドアをくぐり建物中に入ります。

建物内はふしぎなつくり。

建物?というか屋根は基本ないんです。

塀に囲まれた中に、さらに塀で個々のエリアが区切られておりその中にコンクリート造りの小屋があるみたいな感じ。屋根はその小屋にしかないよう。個室どうしは壁を隔てて隣あうことはないのでコミュニケーションをとることもできなそうです。

小屋の周りは屋根のないスペースで庭のようですが、そこに出ることはできません。食事を持ってきたりする人が入るスペースです。冬はここに雪がつもり室内も大変な寒さだったとか。

部屋はもちろん真っ暗。

小さな明かり取りと食事を差し入れる窓があるだけ。もちろんガラスははまってません。開けっ放し‥

冬は雪が吹き込み布団は凍りついてパリパリ。夏は風も入らず‥

食事は日に二回。少ないご飯と白湯か薄い味噌汁だそう。水分量からして足りない‥

悲惨すぎな環境です。

もちろん多くの方が亡くなったそう。

ここは日本のアウシュビッツと言われたそうですが、アウシュビッツとどちらが悲惨か比べようもありません。

どちらも陰鬱な気分になりますな‥。

見に行ったのが両方冬だから余計でしょうか。

ここは重監房の資料館ですが、ハンセン病の資料館も他にあるそうだ。

こちらもいつかいってみよう。

重監房資料館

464-1533 草津 草津町 吾妻郡 群馬県 377-1711