【2020.1.3】
【キロちゃん旅】
【横転】
ティモフスコエからスミルヌィフまで。
夕方近くなり薄暗くなってきました。
まわりは森。そんな時に事故りました。
単独自己ですね。
アイスバーンにのって滑ったんだと思います。工事現場の近くでルートが変わってた所でした。
滑ってコースアウト。横倒しで道路から外れた3メートルくらい下の溝に落ちました。スピードは出てなかったので車の破損はほとんどなし。横から落ちたしね。
いやー、びっくり。エンジンはきれてない。なので窓を開けて車の外に脱出をはかります。
宙に浮いてる状態でシートベルトをはずすのは至難の技だと知る。
夫氏に車内の荷物をまとめて貰うように頼むと窓から車外へ這い出して、クラクション鳴らしながらおーいおーい!と手を振りました。
五台目で2台の車が止まってくれました。トレーラーと乗用車。
車から飛び降りて、雪に埋もれながら崖を這い上がるとトレーラーの運転手‥セルゲイに、大丈夫か?一人なのか?と聞かれました。
二人だ。車の中に夫が‥
と答えると、セルゲイと兄ちゃんはダッシュで車のほうへ飛んでった。
車内へ入り、夫氏の無事を確認し荷物を次々に運び出してくれました。
私も車内に入り荷物をかき集めて運び出しました。スーツケースなどは大きなものはセルゲイとお兄ちゃんがヒョイヒョイと運び上げてくれました。
ロシア人パワフル。
雪が膝上の坂を登るのをセルゲイが片手で引き上げて助けてくれました。
途中で財布を落としたらしく、それはお兄ちゃんが拾って渡してくれました。いつ落としたのかもわからない‥
しかし、荷物はほぼ運び出すことができました。割れてしまったもの以外はほぼ運び出すことができました。
お兄ちゃんはここでさよなら。
ありがとう!ありがとう!めちゃめちゃ助かりました!!
セルゲイにはお手数ですが、レンタカー屋さんに連絡してもらいました。
ロシア語で事故を伝える言語能力はないので。
レンタカー屋さん経由で警察に連絡がいき、そこで警察を待つことにしました。
セルゲイは自分のトレーラーのコクピットに案内して、コーヒーをいれてくれました。すごいな!トレーラー!お湯沸かせるのか!初めて乗らせてもらったよー!
コーヒー苦手だがせっかくいれていただいたのでいただきます!
コーヒーすすってると、いろんな訪問者が来ます。
落ちてる車を見て話を聞きにきた&心配してきた人たちです。いちいちセルゲイが状況を説明してくれました。
大変申し訳ない‥。お手数おかけします。
私もたまたま荷物を移動しに外へ出たときに知らないおっさんに話しかけられました。
そこは森の中。携帯の電波もギリギリ。そんなに人がいることがおかしいのですが、さすが横転した車の吸引力は違うなと(笑)
知らないおっさんは、日本車をめちゃめちゃほめてくれ、乗ってた日産サファリを見せてくれました。
そしてスノーモービルを所持してるけど、スノーモービルも日本製がサイコーだと。
後から考えると元気付けようとしてくれたんだと思います。
今日はポリスが来たらスミルヌィフに行って、ホテルで寝る。明日からは普通に旅行ができると励ましてくれました。
ありがたや。
珍客は他にもいて。
実は近くに道路工事をしている場所があり、そこに寝泊まりしてるらしき宿直の?おっさんがいるんです。
おっさんが「リーシカ、リーシカ」と声をかけにきました。
リーシカ?と思うと、セルゲイが「行こう」とトレーラーの外へ。
行き先はおっさんのコンテナ。おっさんはコンテナに泊まり込んでました。そのコンテナは電気もガスもなし。暖房と灯りは室内の薪ストーブのみ。薪ストーブと言えばおしゃれですが、薪を燃やす場所がある、程度です。
室内はうわあ‥っ感じ。木で組んだベッド件椅子と簡易的に作ったテーブル。そして薪。
山小屋とかに来たみたいだよ‥こんなとこで一人ですごすの?!泊まりで?!こえー!むり!!
おっさんはパンを持ち出すと、外へ。
写真はとっちゃだめだよ、と言われました。なんのことかわからず。
しばらくすると目的のものが来ました。なんと野生の狐です。しかも多分まだこぎつね。
おっさんのパン目当てで来るみたい。しかもめちゃめちゃびびりながら逃げ腰でパンを取りに来てるのでめちゃめちゃ慣れてると言うわけではないみたい。ひとつ口にしてはダッシュで離れてまた近寄って‥を繰り返してました。
かわいらしい‥
北海道人ではないので、イノシシや鹿やタヌキは見る機会がありますが狐は無いからなあ。
ありがたい機会をいただきました。
リーシカとは狐ちゃんみたいな意味かな。多分。
セルゲイもそんなに狐に興味なさげで(現地の人だし見ることもあるんでしょう)だけど、我々のためにわざわざ狐見に一緒にいってくれたようです‥何故ならおっさんは立ち寄る人がいると、「リーシカリーシカ」と声をかけまくるうざいおっさんだったから(笑)会話も少々めんどくさそうなセルゲイだったし。
トレーラー内でさらに警察を待ちます。
しかし来ない‥
トレーラー内はビミョーな空気にもなる。しかし、はふーとため息を漏らすと大丈夫だからと慰めてくれる良い人セルゲイ‥
なので、こちらもお仕事聞いたり、ご家族のこと聞いたりと頑張って話題をふってみましたよ。世間話苦手だけどさ
セルゲイはオハ近くに住んでるトラック運転手で、金属を運んでるそう。一番南から北まで往復してるそうです。大変なお仕事だなあ。
そして約3時間後。
やーっと来ました!!ポリツィア!
ああああありがとうございます~!!
待ちわびておりました!
しかしこんな森の中、どうやって特定してくるのだろうか‥目印もないし。
通りすぎたけど、セルゲイがパッシングで止めたんだけどね。
RV 車で三人のお巡りさんが乗ってきました。
まずは何故かセルゲイだけがパトカーに呼ばれ事情聴取。
我々は放置。10分弱くらいは聞き取りをされてました。そしてセルゲイは解放。つまり我々とはお別れ。
仕事の途中だというのにほんとに助かりました。三時間も。ありがとうございます。
セルゲイがトレーラーですごさせてくれなかったら灯りもない森の中の道路っぱたで寒さに震えながらお巡りさんを待つことになったでしょう。まさか最後まで付き合ってくれるとは‥。なんて良い人なんだ。
感謝感謝です。
手持ちのお菓子をお渡ししました。
次に我々がパトカーへの後部座席へ。
しかし特に何も聞かれず‥
お巡りさんさんたちが現場の見取り図を書いたり、道路幅を図ったり、車を見に行ったりするのをぼーっと待ってました。
お巡りさんは車の中を調べたようで
「忘れ物だよ」と袋に包まれたままの毛布を渡してくれました。一瞬動揺する我々。
この毛布は車のスタックしたときのために持ってった200円の毛布なんです。もう車を乗らないなら必要ないのであえて置いていったのですが、わざわざお巡りさんが忘れ物だと思って持ってきてくれちゃったんです。
ビミョーな顔をしたので「あなたたちのじゃないの?」と聞かれたので「いえ、ありがとう、私のです」と受けとりました。内心どうしよー?と思ってましたが
パトカーに移動してから一時間以上は後部座席でぼーっとしてました。その間聞かれたのは、日本人?ドライバーはどっち?旅行者?と聞かれたくらい。
威圧感はなし。極めてソフトな対応です。
私も英語はやばいですが、お巡りさんもやばいらしく、お巡りさん同士で「英語で旅行者ってなんていうんだっけ??」とか小さい声でやりとりしてからこっちに質問してきてました。かわいい‥(笑)
お巡りさんたちはもちろんスマホを持ってましたが、個人のものなのかな?レンタカー屋さんに連絡するのに、私のスマホを貸してくれと言ってきました。会社用はないのだろうか?
良かった。通話ができるSIMカードで。
全て完了すると、パトカーでスミルヌィフへ運ばれました。だいたい50キロくらい。南のもよりの町です。
パトカーめちゃめちゃとばす!ちょっと恐怖を感じるレベルでとばします。
途中、路肩に車がとまってるのを見るとパトカーをとめました。
車内を確認。確かにこんなとこでこの気温で車内に人がいたらヤバいもんね。
意外といってはなんだけど、仕事真面目にやるんだねーと感心しました。